「いやぁすまん、君の家に少しの間匿ってはくれないか？」
「は？」

突如として、Aの自宅に転がり込んできた訓練指導型アンドロイド「F-TP001 Fran」。
なんとアメリカの秘匿された軍事施設から「溢れる欲望」を抑えきれず仕事をほったらかして逃げてきたそうだ。
アンドロイドの命令序列どうなってるんだ……？
その機械が持つはずのない「欲」の正体だが、これもかなり特殊で「コスプレ欲」である。

フランは米軍で稼働する「兵士を指導する立場」であり、それを想定されて造られたアンドロイドらしい。
どのような訓練でも行えるよう、最新のセンサー類と圧倒的強度を誇り、
どのような訓練でも実行できるよう設計されたとは言うが、
本人曰く、任務は指導であり、その日の指導が終われば「クッソ暇」らしく、
自身のネットワーク回線を利用しネットサーフィンをするのが趣味みたいなものだそうだ。
そこで得たのは、色んな国で娯楽として親しまれている「コスチュームプレイ」というものに興味を持ったとか。
なんでも、「指導する立場の機械」という狭い枠組みの概念を破壊されたらしく、
「自分も別のものになってみたい」と思うようになり、ハイレベルなコスプレ文化を誇る日本に思いつきで飛び出した。
のは良いものの、思いつきだけで飛び出したので、軍の追手が来るかもという推測に
日本についてから思い至ったようで、慌ててお金持ちっぽいような雰囲気のあるAの家に転がり込んできたらしい。

なおすでに日本を中心としたSNSに美人コスプレイヤーとして密かにファンが居るらしい。

元々ボディには、漏洩防止、証拠隠滅のための自爆装置が備わっていたが、自分で外した模様。
追跡装置も外してあり、本国ではえらいことになっていること間違いなしである。

フランにはフラン自信が気づいていなかった大きな秘密があった。
訓練指導型のアンドロイドというのは真っ赤なウソであり、
実際はアメリカが「聖遺物」を核にして作った正真正銘の兵器。
使用された聖遺物は「エイルの布」。
女神でもあり、戦乙女の一人でもあるエイルは、あらゆる怪我もたちまちに回復させてしまうという
能力を持っており、信頼する者たちに自分の能力を込めた布を配ったという。
フランに搭載されている布はその切れ端などではなく、エイル本人がまとっていた衣。
これによりフランは圧倒的な強度を得ていたのである。
地球での幻創種騒ぎの際、国を守るために兵士を鍛え、有事の際は自分も戦おうと考えていた手前、
地球の危機の際、地球を守りたい意志により、聖遺物の記憶と能力が覚醒。
圧倒的な防御力と今までなかった「圧倒的回復性能」により今まで以上に強固な存在になった。

戦闘スタイルは、ワイヤーを巧みに操る暗器を得意とする。
アークスで言うところのワイヤードランスが一番近い。